部分的に光をさえぎるシェードがついた照明器具は部屋のなかに光と影で模様をつくりだしますが，光をさえぎることがない 3D デザインランプは透明なシェードでおおわれているので，もっと淡い陰影をつくりだします．

 

 

できるだけはっきりとした影をつくるには点にちかい光源をつかうのが適しているとかんがえられます．白熱電球のなかではキセノンランプが点にちかい光源ですが，3D デザインランプのシェードは比較的 熱によわいこともあって，その光源に白熱電球は適していません．LED で点光源にちかい光をつくりだすための容易で安価な方法は LED チップを 1 個だけつかうことです．LED チップは 3 mm 角くらいのおおきさなので，それを 1 個だけつかえばキセノンランプより点光源にちかくなります．しかし，消費電力は 0.5〜1 W 程度になり，白熱電球相当でも 5 W くらいにしかなりません．

 

こういう，淡い光をはなつ LED 電球として「USB スタンド兼ペンダントライト」(Yahoo! ショッピング) を販売しています．光はよわく，また既存の LED 製品がつかいにくいので，コストは高くなってしまいます．そのためあまり積極的に販売していませんが，魅力ある光と陰影をつくりだします．

 

USB スタンド兼ペンダントライトのシェードの模様は単純なものからやや複雑なものまであります．単純なものは単純な光と影をつくります．つぎの 2 つの写真は格子状の模様とストライプ模様から生じる光と影です．どちらも光はやや中央にあつまっています．フィラメントを巻いてつくったシェードがフレネルレンズのようなはたらきをしているからだとかんがえられます．左下の写真では中央の光は 3 つの方向にひろがっていますが，これはシェードに 3 サイクルのヴィブラートがかかっているためです．

 

 

複数の波を合成してつくったシェードでは光と影も複数の波が交錯したかたちになります．

 

 

3D デザインランプがつくりだす影は，光をさえぎるシェードとくらべると淡いものになります．光をさえぎることによってではなく，光を反射したり屈折したりすることによって淡い影をつくりだします．しかし，淡いとはいえ，光をさえぎることではつくりだすのがむずかしい光と影をつくりだします．