3D デザイン電球の形は「波合成モデル」によってつくっています．このモデルでは自由に正弦波を合成して多様な形をつくることができますが，「ハーモニー形」の電球は調和する波を合成してつくった形をしています．どういう波を合成しているのかを，みていこうとおもいます．

2020 年 11 月現在は「ハーモニー形」として販売している 3D デザイン電球はつぎの形 (デザイン 405) だけです．

ベースとなる形は球形です (下図参照)．

ここに，左下のような波とその 2 倍の倍音 (2 倍の周波数の波，2 倍高調波) をかさねます．これらの波の方向はおなじです．

さらに，波の向きがこれらと左右対称なつぎのような 2 つの波をかさねます．

これらすべてを重ね合わせることによって，つぎのようなデザイン 405 の形になります．倍音をいれることでワッフルのように尖った部分と平たい部分からなる形になります．

平たい部分もすこし曲がっていて，LED の光を拡げています．

上記の 4 つの波の合成は Web 上のデザイン・インタフェース上ではつぎのようにあらわされます．

横方向に 18 サイクル (つまり 1 周するあいだに 18 波)，縦方向に 6 サイクル (上から下までで 6 波) で振幅が 半半径の 0.02 倍の波と，周波数がその 2 倍で振幅が半径の 0.005 倍の波をあわせています．’Shift’ は位相のずれであり，−1.57 は −π/2 という意味です．

渦巻形 (デザイン 401) やストライプ形 (デザイン 403) の電球も実は倍音をかさねてつくっていますが，これらには「渦巻形」，「ストライプ形」というなまえをつけているので，「ハーモニー形」とは呼んでいません．これらはそれぞれ 2 つの波をかさねています．これらについても，倍音をかさねることで尖った部分と平らな部分がつくられています．ストライプ形の電球はデザイン 405 と同様に内側にはゆるやかな形になっていて，光が拡がります．渦巻形のほうは逆に内側に尖った形になっています．