3D 印刷をはじめた経緯
現在は螺旋3D印刷という独自の方法をつかっていますが,最初はもちろん普通の 3D 印刷からはじめました.それについて書くことが 3Dデザインランプについて理解していただくことにつながり,また他の活動の参考にもしていただけるのではないかとおもいます.そこで,ここでは会社づとめのかたわらでそれをはじめたところから,それで稼ぐことをめざしたところまで (2012 年から 2014 年まで) を書いてみたいとおもいます.
3D 印刷に興味をもって,やってみようとおもったのは 2012 年のことです.アメリカなどでそこそこ安価な 3D プリンタがいくつか販売されていたので,そのなかから Printrbot というブランドのものをえらんで,個人輸入することにしました.そのブランドのもとで何種類かの 3Dプリンタがありましたが,Printrbot Plus というキットをえらんで購入し,くみたてました .Printrbot はその製品内容をめまぐるしく変えていきましたが,当時はレーザカッターで切断されたベニア板をかさねて部品をつくるようになっていました.
製品内容をめまぐるしく変えていたということは,あまりきちんと設計されていなかったということであり,くみたては容易ではありませんでした.くみたての経緯や関連することはつぎの Kindle book に書いています.
最初はだれもがためしてみるようなものをつくっていました.
しかし,Printrbot でありきたりのものをつくるのではあきたらなくなって,2013 年には,まず 2 台めのプリンタとしてデルタ形の Rostock MAX というキットを個人輸入することにしました.それは,ちょうどそれが「軽快に印刷できる」というので話題になっていたからです.
こちらも当時のはやりのレーザカットした板をつかっていましたが,板だけの Printrbot とはちがって化粧板をつかっていました.デルタ形のプリンタを買ったのは Z 軸方向にも高速に移動できるからでした.ヘッドを自由な方向にうごかして,普通はできないもの,つくりにくいものをつくりたかったのです.
この,ヘッドを自由な方向にうごかして印刷することの最初の結実が SFF シンポジウム (Solid Free-form Fabrication Stmposium) という伝統のある 3D 印刷の学会でのポスター発表でした.この発表では層をかさねるのでなく自由な方向に印刷することを実際にためしていました.そのために Z 軸方向に高速に移動できるというデルタ形プリンタのしくみが重要だとかんがえていました.この学会ではほかにもデルタ形プリンタの重要性を指摘する発表がありました.この自由な方向への印刷というかんがえかた (当時は「自然な方向の 3D 印刷」と呼んでいました) は現在の螺旋 3D 印刷につながっています.
ポスター発表に結実したといっても,これはほとんど構想だけでした.より具体的な目標としては立体的な書がつくれるようにしたいとかんがえていました.筆者自身が書を書くつもりではありませんでしたが,これまでなかった 3D 書道の道具が開発できるのではないかとかんがえたわけです.立体的な書の例は下記の写真にしめしますが,そのことは 2014 年に学会論文にも書きました (下記の写真についてはこの論文を参照).それを実現するために Microsoft Kinect まで書いました.しかし,その後はちがう方向にいったので,これは構想だけでおわりました.
その後はしだいに螺旋 3D 印刷にちかづいていきますが,それについてはまた別の記事に書きます.
関連情報
3Dデザインランプ|Dasyn(デイシン)
デイシン (Dasyn) はオリジナルデザインの LED 照明器具「3Dデザインランプ」を製造販売しています.デイシンが独自に開発した「螺旋 (らせん) 3D 印刷法」によって造られた,ガラスではまねできない繊細な形や模様をもつ透明プラスティック製ランプシェード (セード) を使った,様々な表情をもった光の彫刻のような「3Dデザイン電球」や照明器具が,おしゃれに きらめき ます.
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