ときどきランプシェードの特注がありますが，新宿住友スカイルームをはじめしてそのほとんどが事業者によるものでした．しかし最近，家庭で使用していたランプシェードがこわれたのでそのかわりがほしいという注文を数件うけました．もとはガラスシェードですが，ガラスでつくりなおすのは困難なため当社のプラスティック・シェードを注文していただきました．このようなご希望に 1 万円以下でこたえられるのは 3D 印刷とくに独自技術の螺旋 3D 印刷ならではです．

 

最近の注文のなかでももっとも注目するべきものがつぎのシェードです．

 

 

 

これはつぎのようなシャンデリアの中央のシェードです．

 

 

本来は周囲の 8 個とおなじおおきさなのですが，使用している 3D プリンタではやや小ぶりなもの (直径 21 cm) しかつくれませんでした．また，周囲のガラスシェードとはおなじ加工をすることはできないので，シェードにランダムな模様をつけて似せました．周囲のシェードをこのプラスティック・シェードでおきかえると違和感がおおきいとおもいますが，中央なのでそれほど違和感はないとかんがえられます．

 

シェードの下部にはかざりの「分銅」がついていますが，金属なのでそれなりの重さがあります．最初は PLA で分銅なしの版をつくって買っていただきました．PLA にこの分銅をつけると，その重さによって数ヶ月〜数年でシェードが変形 (クリープ) するとかんがえたためです．

 

お客様はさらに分銅をつけた版をつくることを希望されたので，より変形のすくない材料をさがしました．ベストな材料はポリカボネートですが，現在使用している 3D プリンタではポリカボネートでこのようなシェードをつくることができません．そこで，写真のシェードには PETG を使用しています．PLA にくらべると変形はすくないといわれていますが，この環境でどれだけもつのかはわかっていません．PETG は PLA にくらべると紫外線によわいので紫外線がつよい環境では使用できませんが，この場合はあまり紫外線がない場所なので，その点では問題ないものとかんがえられます．

 

設計・製造の経緯について書きます．お客様から設計図がいただけるわけではないので，サイズも模様もどのようにすれば満足していただけるかは事前にはわからず，いきなり製品版をつくるのは危険です．そのため，今回は 40% のサイズのミニチュアを 1 回の注文につき 2〜3 個つくって，みていただいてから製品版をつくりました．とりつけはビス止めですが，3 箇所ときいたので印刷ずみのシェードに等間隔に 3 つ，加熱して穴をあけたところ，1 回でほぼうまくとりつけていただくことができました．

 

お支払いは，Yahoo! ショッピングに専用ページをもうけて，していただきました．事業者に販売する場合は EC サイトを経由しないことが多いのですが，個人の場合は決済手段がえらべること，Web サイトでやりとりができることなどにより，お客様にも当方にも Yahoo! ショッピング経由が便利だとおもわれます．このようなご注文のためのページをこのサイトにもつくりました．