水につけた PLAフィラメントで和紙風シェードが改善された
デイシンでは PLA (ポリ乳酸) をつかった和紙風シェードをつかった LED電球などを販売しています.
和紙風にするには 3Dプリンタのヘッドを高温 (250℃ 程度) にして,ゆっくり印刷する必要があります.そうするとパチパチ音がしてフィラメントが白くなります (白化します).これは,フィラメントにふくまれる水がフィラメント中に泡やわれめをつくるために光を乱反射しやすくなるのだとかんがえられます (フィラメントの吸水について書いた Nature 3D のブログ記事参照).この和紙風のシェードについては「和紙風シェードがつくりやすいフィラメントとつくりにくいフィラメント」に書いています.
ところが最近はそのような条件でも和紙風にならないフィラメントがふえています.つまり,透明なままになることが多いのです.ようやく,そのための対策をかんがえました.これまでは和紙風になりやすいフィラメントを選択してきました.しかし,和紙風になりやすいフィラメントは最近はとくに入手困難です.そこで,これまでは入手可能なフィラメントで和紙風シェードをつくるための方法をくふうしてきました.しかし,おもうように白くなりませんでした.フィラメントを自作したり特注したりすることを解決策としてかんがえましたが,なかなか手がだせませんでした.
そこでかんがえたのが,PLA フィラメントを水につけて吸水させる方法です.それをさっそくためしてみました.左下の写真がフィラメントを湯につけているところです.今回は実験なのでフィラメントは少量ののこりものです.その結果,1 時間程度の吸水でも満足するべき結果がえられました.右下の写真は吸水がうまくいったフィラメントですが,透明だったものが白くなっています.
下の写真が印刷したキャンドル・キャップやシェードです.和紙風のキャンドル・キャップをつくるのに,これまでは 7 分以上かけていましたが,5 分以下でほぼ完全に白くなりました.ただし,写真の右端にあるフィボナッチ模様のキャップはもうすこし時間が必要でした.そのちがいがどこからくるのかは,わかっていません.
それでもまだ通常よりは印刷速度をさげないと白くなりません.白いシェードは通常の透明なシェードにくらべると強度がよわいのに,コストをさげるためにこれまでは通常よりも薄くしていました.それが,吸水させることで厚みを増すことができるようになりましたが,まだ透明なシェードよりはコストがかかります.特注フィラメントをつかうなどの方法によってさらにコストをさげ,これまでよりおおきい白いシェードをもつ電球が製造できるようにしたいとかんがえています.
追記
水につけて白くなったフィラメントはそのまま水を保持しているのかとおもいましたが,1〜2 週間たってからつかってみると,フィラメントの色は白いままなのに,まったく白化しなくなっていました.どうやら,水につけたまま保管する必要があるようです.
関連情報
3Dデザインランプ|Dasyn(デイシン)
デイシン (Dasyn) はオリジナルデザインの LED 照明器具「3Dデザインランプ」を製造販売しています.デイシンが独自に開発した「螺旋 (らせん) 3D 印刷法」によって造られた,ガラスではまねできない繊細な形や模様をもつ透明プラスティック製ランプシェード (セード) を使った,様々な表情をもった光の彫刻のような「3Dデザイン電球」や照明器具が,おしゃれに きらめき ます.
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