通販サイトでの商品タイトルは本来はお客様にわかりやすいものであるべきだとおもうのですが，お客様にみていただくためにはサイト内検索で上位にこなければならないため，お客様より検索エンジン中心になってしまっています．検索エンジン対策をしつつもお客様にもわかりやすくするにはどうすればよいか，かんがえてみます．

 

Google の検索エンジンは，ひとにとって読みやすいテキストにより高い評価をあたえるようになっているとかんがえられます．しかし，通販サイトの検索エンジンはそれほどよくできているとはいえません．ここでは，Yahoo! ショッピング，楽天の順に，商品ページの例をみていこうとおもいます．

 

デイシンが最初のオンラインショップをだしたのは Yahoo! ショッピングですが，そこでは商品ページのすべてのテキストが検索エンジンに登録されるわけではありません．商品タイトルやわずか 500 文字に制限された「商品情報」，その他かなりかぎられた部分だけが検索対象になります．検索対象にしてほしいキーワードをすべてうめこむには，あまりにすくない文字数です．そのため，キーワードは厳選して商品情報にいれ，さらにその一部を商品タイトルのなかにつめこむことになります．

 

商品情報も不自然な記述になりやすいとおもいますが，商品タイトルはキーワードの羅列にちかくなり，とても人間が読めるものではなくなります．それでもできるだけ，ことばが自然につながるようにはしているつもりです．ほんとうは商品タイトルの重要な部分を強調したいところですが，一様にあつかわれてしまいます．

 

たとえば Yahoo! ショッピングの店では，あるトロピカルフルーツ風 3D デザイン電球につぎのようなタイトルをつけています．「3Dデザイン電球 Xing3 60W相当 直径15cm おしゃれに きらめき輝く 電球色 昼白色 E26 裸電球 大型ボール球型LED電球 天井直付け シーリングライト用」ここで「3Dデザイン電球 Xing3」がタイトルの主要部分です．「おしゃれに きらめき輝く」の部分はことばをつなげるようにしています．それでも，その前後はキーワードの羅列になっています．そこはできればちいさなフォントをつかいたい部分です．また，「ボール球」ということばは同義反復で不自然なことばですが，なぜか Yahoo! ショッピングでも楽天でもつかわれている (検索対策になる) ようです．

 

 

楽天の店ではよりひろい範囲が検索対象になっています．そのため，キーワードをできるだけつめこむようにしています．おなじことばでもひらがなと漢字，さらにおくりがなによって検索されるかどうかがかわってくるので，冗長なキーワードがつめこまれることになります．キーワードはほんとうは文章のなかにうめこんだほうがよいとおもうのですが，そうするととても長い文章になるため，表のようなかたちにしています．そうすると，競合性のひくいキーワードの場合には，たしかにつめこんだキーワードで検索できるようになります．

 

上記のものとおなじ 3D デザイン電球に楽天の店ではつぎのようなタイトルをつけています．「3Dデザイン電球 Xing3 60W相当 直径15cm おしゃれにきらめき輝く波模様 サイズが選べるオリジナルLED電球 電球色 昼白色 E26 裸電球 大型ボール型 ボール球 きらきら きらめく 廊下 トイレ 玄関 階段 天井直付け 直付け 天井照明 天井 シーリングライト用」楽天のほうが長いタイトルがつかえるので，Yahoo! よりキーワードをつめこんでいるので，さらによみにくくなっています．まるで「寿限無寿限無…」のようです．しかし，「おしゃれにきらめき輝く波模様」の部分はつながっています．ここでも後続の部分はフォントをちいさくしたいところです．

 

お客様によみやすくするにはもっと整理したほうがよいのですが，Yahoo! でも楽天でも，長いタイトルにしてサイト内検索で表示されやすくなったため販売数がのびました．そのため，本来あるべき姿からははずれているとおもうのですが，通販サイト内の検索エンジンがそのようにできているかぎり，そうせざるをえないとおもっています．それに対してこのサイト (3d-dl.com) では検索エンジン対策としてほとんど Google だけをかんがえているので，そういう不自然なことはさけるようにしています．